3月議会に続いて、6月議会(令和4年第2回定例会)でもたくさんの市議が「GLP昭島プロジェクト計画」の問題について、市民の不安を代弁し、市への対応を促す質問などをされました。注目すべき答弁について、昭島市議会の動画とともにご紹介します。なお、議事録はまだ公開されておりません(議事録公開は8月中下旬に予定されているようです)。
6月議会 ハイライト
林まい子議員、高橋誠議員、青山秀雄議員、佐藤文子議員が、市民生活への影響への懸念や市民の声をGLPに伝え、計画に反映させていくべきだとの立場から、非常に精力的にご質問をされました。私たち市民としても、非常に心強いものです。 他方で、市の答弁は、相変わらず、現時点で積極的に動くということではなく、GLP側の計画の進捗や東京都環境影響評価の手続きを待つというものです。計画が具体的に作られてしまってからでは手遅れになってしまうことが心配されます。上記4名の各議員のみなさんの質問に対する市の答弁のハイライトは以下の点です。
●緑地を残す方策として、立川基地跡地昭島地区については地区計画を策定して環境緑地や緑化率を定めている。昭島駅北側については、そういったことの検討が必要と思っているが、現時点では、事業者の計画の進捗状況から見て、現段階では協議する段階ではないと考えている。
●開発事業地周辺には、小学校が複数あり、周辺道路のほとんどが通学路に指定されている立地であることを踏まえ、今後の協議において、十分な安全対策を強く求めていく。
●市と開発事業者との協議は、東京都環境影響評価条例に基づく手続きの動向を踏まえる必要があると考えており、現在は、協議を行う段階に至っていない。
●東京都環境影響評価条例に基づく手続きは現時点ではその動向はない。
●開発事業者の説明では想定発生交通量は大型車1100台、普通車4700台とされているが、既に渋滞が発生している周辺道路への負荷がどの程度になるか示されていない。詳細が明らかになれば、交通管理者と連携し意見協議する。
●道路拡幅の予定について、昭島都市計画道路3・4・1号昭島中央線、同3・2・3号国営公園南線、同3・2・11号国営公園西線の3路線が整備事業中。このほか、平成28年策定した第4次事業化計画で今後10年間で優先的に整備すべき路線として、昭島都市計画道路3・4・18号拝島橋昭島線を選定した。また、福生都市計画道路3・3・3号新五日市街道が整備事業中。
>昭島市都市計画図 >立川基地跡地周辺のまちづくり
●市民から寄せられた意見について、開発事業に関する市長への手紙は6月10日時点で215件など。
寄せられた意見は、交通量増加に伴う諸課題、緑の減少等の自然環境の悪化に係る心配など、ゴルフ場やホテルの存続など多岐にわたっている。
●都市計画マスタープランの実現について、市民参画を得て策定した総合基本計画、都市計画マスタープランをはじめとする各分野別計画は市民や事業者と共に実現を目指しており、開発事業者に対しても理解及び尊重を求めている。
●行政協議について、GLPと具体的な協議はしていない。事業者に対して、この開発が現実的なのか問いただし、確認をしている。これは「協議」ではなく「質問」をしている。
各議員ごとの質問と答弁のポイント
【目次】
6月14日 一般質問 林まい子 議員
<32:45~>
●林まい子議員
環境基本計画上も生物の生育・生息空間は、公園緑地、民有地公共施設等の緑も含めてネットワークとして繋げていくことが必要とされている。エコロジカルネットワーク上のコアエリアになる。都市計画マスタープラン上も、水と緑保全が重視されているエリアであり、環境基本計画では緑率を減少させないという指針が出されている。各種計画との整合性を図ることも求められている。
市のエコロジカルネットワークの保全の観点から、確実に残すべきと市が考える区画だけでも、緑化推進基金などで買取ることはできないか。
⇨緑化推進基金の令和4年度末残高で2億1100万円を見込んでいる。緑地保全事業、公園維持管理経費、樹木の維持管理経費に充てるため毎年2000万円程度取り崩して使用している。新たに緑地保全のために土地を購入することは困難性がある。
●林まい子議員
例えば西東京市は緑基金の充実を図る方針を立てている。千葉市や世田谷区のように市民や事業者から広く基金を集める方法もある。昭島駅北口開発については、非常に多くの市民が保全を望んでいる。こうした手法を用いて買い取ることを市としても検討すべきではないか。
⇨緑化推進基金は、剰余金、利子を合わせて、市内の緑化の維持に使えないかということで動き出している。大規模な土地を買うという目的ではないので、これを積み増して土地を買うという考えはない。
新たな基金を創設して広大な土地を購入することは困難性があると考えている。
<36:40〜>
●林まい子議員
緑地を残す方策のその後の進捗は?
⇨立川基地跡地昭島地区については、地区計画を策定して環境緑地や緑化率を定めている。昭島駅北側については、そういったことの検討が必要と思っているが、現時点では、事業者の計画の進捗状況から見て、現段階では協議する段階ではないと考えている。
●林まい子議員
昭島市環境基本条例では、市の責務として、保全 施策に事業者市民の意見を反映するよう、必要な措置を講じなければならないとある。基本計画でも市民参画が進み、市と市民、事業者が一体となるまちづくりが行われることが目指す姿として掲げられている。市の決意を。
⇨市の環境施策を進めていく上で、多様な意見を聞いてあらゆる考え方を調整するのが市の役割。但し、昭島駅北口については、事業の進捗状況に応じて、その辺が明らかになり次第、必要に応じて、そういう場はあるのだろうと考えている。
●林まい子議員
持続可能なまちづくりと真逆の芳香と考えている。開発計画への市民の不安、懸念を継続的にいただいている。市として、最大限の尽力をされたい。
6月16日 一般質問 高橋誠 議員
<9:29〜>
●市長
市民の意見を踏まえ、開発計画を検討されるよう強く申し入れた。
今後、東京都の環境影響評価条例に基づく手続き等において、計画概要、周辺への影響が明らかになってくるので、市民の意見を受け止め対応していきたい。
<11:54〜>
●後藤都市計画部長
通学路の安全確保について、市民の安全が確保されなければならない。特に小学生の通学路は、一層の安全対策が必要。開発事業地周辺には、小学校が複数あり、周辺道路のほとんどが通学路に指定されている立地であることを踏まえ、今後の協議において、十分な安全対策を強く求めていく。
市民の質問意見への対応について、2月の説明会は、市の要請に基づいて早期に行われたもの。説明会で回答保留となっている事項は、今後予定される東京都環境影響評価条例に基づく図書、説明会等で明らかになると推察している。
市と開発事業者との協議は、東京都環境影響評価条例に基づく手続きの動向を踏まえる必要があると考えており、現在は、協議を行う段階に至っていない。民間開発であることから行政の立場でできることは限られるが、市民の意見を受け止めて協議を行っていく。
<18:32〜>
●高橋誠 議員
自分の地域なのでこの時期になると小学校1年生の子が大きいランドセルに黄色の交通安全のをつけて歩いているのと見ていると、まだ小さいのでちょこちょこ歩いているのを見ていると、ここに大型車とか普通車が何百台通るのだと思うと本当に気が気じゃないと日頃思っている。本当に市側も大変だと思うが、この件については私も微力ではあるが、ぜひ機会を見て先方にも言っていきたいと思っているので、ぜひご協力いただきたい。
6月16日 一般質問 青山秀雄 議員
<21:36〜>
●臼井市長
開発事業者が土地利用を検討するにあたっては、市の基本計画、各分野計画を尊重するよう求めている。
交通環境等の課題については、開発事業者における計画検討の進捗の状況に合わせて、協議等を重ねて行ない、市民の住環境の確保、既存商業施設等の産業環境の確保に努めていくよう取り組んでいく。
<24:15〜>
●後藤都市計画部長
市民意見は開発事業者が聴取し誠意を持って対応すべき。市としては市民の意見を聞き計画へ反映するよう求めている。市の求めに応じて2月に説明会が開催された。
東京都環境影響評価条例に基づく手続きは現時点ではその動向はない。
市としては、交通量増加に伴う諸問題や緑の喪失を危惧しており、関係機関と連携して、しっかり対応していく。
開発事業者の説明では想定発生交通量は大型車1100台、普通車4700台とされているが、既に渋滞が発生している周辺道路への負荷がどの程度になるか示されていない。詳細が明らかになれば、交通管理者と連携し意見協議する。
従業員の通勤時の交通手段について、通勤バスの予定は明らかになっていない。
6月17日 一般質問 佐藤文子 議員
<30:48〜>
●後藤都市計画部長
計画の詳細は今後の東京都環境影響評価手続きにおいて検討される必要があり、現時点で事業者との協議は行われていない。
道路拡幅の予定について、昭島都市計画道路3・4・1号昭島中央線、同3・2・3号国営公園南線、同3・2・11号国営公園西線の3路線が整備事業中。
このほか、平成28年策定した第4次事業化計画で今後10年間で優先的に整備すべき路線として、昭島都市計画道路3・4・18号拝島橋昭島線を選定した。
また、福生都市計画道路3・3・3号新五日市街道が整備事業中。
>昭島市都市計画図
>立川基地跡地周辺のまちづくり
市民から寄せられた意見について、開発事業に関する市長への手紙は6月10日時点で215件など。
寄せられた意見は、交通量増加に伴う諸課題、緑の減少等の自然環境の悪化に係る心配など、ゴルフ場やホテルの存続など多岐にわたっている。
都市計画マスタープランの実現について、市民参画を得て策定した総合基本計画、都市計画マスタープランをはじめとする各分野別計画は市民や事業者と共に実現を目指しており、開発事業者に対しても理解及び尊重を求めている。
<55:25〜>
●佐藤あや子議員
行政協議について、GLPと「考える会」の話し合いの場では、GLPは行政と協議を進めているとのことだが、GLPと話をしたのはどういう状況があるのか?
⇨具体的な協議はしていない。事業者に対して、この開発が現実的なのか問いただし、確認をしている。これは「協議」ではなく「質問」をしている。
●佐藤あや子議員
説明会の開催規模、範囲が不十分ではないか。青梅線南の地域について説明を求めることが必要ではないか。
⇨開発事業者としては交通量調査を行う交差点を含む自治会単位の範囲でポスティングをするというのが当初事業者の考えだったが、不十分ではないかということで新聞折り込みを入れて周知を図ったと。
●佐藤あや子議員
入出庫ルートとして示しているのは昭島市南側もある。交通量調査を南の地域に広げることを求めるべきではないか。
⇨どの範囲までやれば適切かは判断の困難性はある。交通量調査をした範囲は影響があるということだが、それ以外の地域についてはいろいろな方法がある。より周知できる方法を事業者に求めていきたい。