#1876
考える会
ゲスト

8.6生物・生態系
   1)資料調査に比べ、現地調査の回数や季節変動の調査が、不十分である。
   2)オオタカの調査結果が非開示となっているが、重要種であり、開発の影響を評価するにあたって、非開示とされては、評価できない。開示すべきである。そもそも、どのような調査をしてきたのか?
     調査中の写真の提示を求める。
     アナグマは、東京都の準絶滅危惧種であり、代官山だけでなく、開発地域内でも、巣穴や採餌場所がある事から、これも調査結果を開示するべきである。他の哺乳類相も、東西道路のアンダ-パスを設置するくらいでは、開発影響は避けられない。そもそも、この市街地で、すぐ近くを16m道路や人々の出入りする公園が造成されるのに、野生動物がアンダ-パスを利用するとは思えない。
      生態系上位の生物が、開発地域まで利用していることをわかっていて、代官山北側の中央公園を、人々の利用する公園にするのは、そうした生物の生態を理解していないからではないか。回廊性や賑わいのある都市公園をいくら造成しても、代官山と玉川上水のネットワ-クは、東西道路で分断されてしまうことは明らかである。東西道路を地下に埋設することが出来ないならば、東西道路を撤回すべきである。
      上記種類以外のノスリやチョウゲンボウ、タヌキなども含めた生態系上位の種は、アンブレラ種であり、その上位の生物がいなくなった場合、下位の生物の個体数のコントロ-ルが利かなくなり、限られた生物種だけが増加し、希少種が絶滅したりする例は多々見られる。生態系上位のこれらの種が、開発地域の外でも見られる(ので、開発による影響は少ない)、という記述も見られるが、アナグマなどは、この周辺地域にはいない。
   3)調査した生物の種類に、著しい偏りがあり、コンサンルタント会社の得意分野に偏りが感じられる。
     その中で、昆虫、クモ類、植生は、比較的、よく調査されているが、これだけの多様な調査結果に比べ、評価の結論が、総じて「影響は少ない」としている判断根拠が理解できない。これだけの開発規模で、これだけの生物相に、影響を与えないはずがない。この調査結果は、むしろ
     開発を辞めるか、最小限に縮小するかを迫る結果になっているのではないか。
   
4) 樹木の本数が、ゴルフ場内だけで、4700本余りの結果となっているが、その数は、予想以上のものであった。現在までに緑地情報に関して、一切のデ-タ開示をしてこなかったのは、それだけの樹木が消えてなくなることを、社会に知られては困るからだったのではないか。
      私達が、航空写真で推測してきた数は、以下になるが、その数を基にしたさまざまな推測が、大幅に上限修正を迫られる結果となる。CO2吸収率の減少、雨水の浸透量の減少は、予想以上で計り知れない。緑地の変化が、緑被率や体積で計算されているが、樹木本数や樹種の減少で、この開発地域の生物多様性の評価をしてほしい。