GLPとの交渉(第1回)

2022年6月13日、「GLP昭島プロジェクト推進室」の担当者2名にお越しいただき、「考える会」として初めて交渉の場を持ちました。

要望書・別紙質問状【提出版】

自己紹介ー窓口担当者は日本GLPの社員ではないことが判明

 冒頭に、「考える会」より、大竹共同代表が挨拶し、双方、参加者が自己紹介をしました。

「考える会」のメンバーからの自己紹介では、長年、昭島市の環境や景観を大切にして生きていきたこと、24時間稼働や、55mにも及ぶ高層の建物が建設されることについて重大な懸念をもっていることなどなど、各人の思いを伝えました。

 GLP推進室側の2名からは、名刺の交付もなく、簡単な名字の自己紹介だけでした。なお、後述する質疑の中で、両名はGLPの社員ではなく、株式会社マイライフ・ハウジングの社員として「GLP昭島プロジェクト推進室」に参加し、住民への説明等を担当していることが判明しました(但し、便宜上、以下では窓口担当者のことを指して「GLP側」といいます)。

署名345筆の提出

 その後、大竹共同代表より345筆の署名を渡そうとしたところ、当初、GLP側は受け取りを拒否しようとしました。住民から説明会の開催を要望するものであるという趣旨を説明するなどした末に、ようやく受け取りました。

要望書・別紙質問状の提出

 続いて、大竹共同代表と長谷川共同代表より要望書と別紙質問状をGLP側に手渡し、「考える会」より、要望書と質問状を捕捉説明とともに全て読み上げて内容を伝えました。

 要望としては、住民への説明と要望を聴取する会を地区ごとに、きめ細かに開催することを求めました。また質問状としては、交通問題や自然環境への影響、アセスメントのスケジュールなど、住民として不安に思っている点や今後の予定などを詳細に尋ねたものです。その具体的な内容については、このページの下にも全文を貼り付けていますので、ご確認ください。

調査や学校への説明状況など

その他、口頭での質疑応答によって、以下のことを確認しました。

  • 昭島特定目的会社が主体となっており、「GLP昭島プロジェクト推進室」には様々な企業から、交通や環境などの分野ごとのプロフェッショナルが集まっている。
  • 追加の質問があれば受け取る。
  • 交通量調査は何年も前から調査していてデータをもっている。
  • GLP相模原の建設にも関わっていた。若干の反対運動もあったが、建設後は問題はそれほど起こっていない。
  • 2月の説明会開催の範囲の自治会を訪れて同じ説明をしている。
  • 小中学校にも、説明会の資料を配布した範囲では、すべて資料を渡し、ヒアリングもしている。但し、青梅線の南側の学校には行っていない。
  • 市の関係部局との協議を現在も進めている。

今後の予定ーGLP側は「回答期限の630日までに書面回答を急ぐ」

 GLP側は、要望書については要望として受け取り、質問状に対しては、当方が回答期限とした6月30日までに回答文書の作成を急ぐと回答しました。

 「考える会」とGLP側窓口との連絡方法の確立として、メールでの連絡を求めました。GLP側は、セキュリティ上の課題を理由に原則としてメールでのやりとりはしていないが、持ち帰り検討するとのことでした。回答文書の交付に関しては、大竹共同代表の携帯電話に連絡をいただくこととなりました。GLP側から連絡がありましたら、またご報告をさせていただきます。

6月13日に「GLP昭島プロジェクト推進室」へ提出した要望書の内容は以下の通りです。

要望書

要望書

日本GLP株式会社
日本GLP株式会社
代表取締役 帖佐 義之 様

2022年6月13日

昭島巨大物流センターを考える会
共同代表 大 竹  雄 二
同    長谷川  博 之
はじめに
 私たちは、貴社が、昭和の森ゴルフ場を撤去して新たに巨大物流センターを建設しようとする計画に対して、これが地域住民の交通安全、交通の利便性を著しく悪化させ、周辺住民の日照権や、昭島市が「緑の拠点」と位置付ける玉川上水周辺の自然環境(「昭島市都市計画マスタープラン」)に悪影響を及ぼすこと等の重大な懸念があることから、その撤回を含む見直しを求めるために、結集した市民です。
 貴社の計画はまだその全容や現実的なスケジュールが十分に説明されておらず、不明な点ばかりですが、不十分な情報をもとに現時点における住民側の要望を下記の通り申し入れるとともに、別紙「質問状」の通り質問致します。
 以上のことにつきまして、貴社の誠実な対応を求めるものです。
                    記    
1.住民への説明と意見聴取の場を設け、住民の意見を真摯に受け止めてください
 物流センターの建設による小中学生の通学時等の交通事故発生の危険性に対する重大な懸念があります。
 また、午前8時前後に極度の渋滞が発生することは必至であり、バス・タクシー等の公共交通機関が機能不全に陥ることはもとより、救急車や消防車両の立ち往生によって、助かるはずの命が助からなくり、早期に鎮火できる火災の延焼が拡大して被害が拡大し犠牲者が増える危険性さえ具体的にあると言わざるを得ません。通勤や、幼稚園、施設の送迎等にも現実的な悪影響が具体的に予測されます。
 さらには、玉川上水の自然環境が破壊されることだけでなく、昭和の森ゴルフ場の樹木が伐採されることによる生態系への影響やCO2排出量の増加など環境への負荷があまりに大きいことも明らかです。
このような点だけを見ても、周辺住民が被るこれらの害悪は甚大というほかありません。
従って、私たち地域住民は、貴社の物流センター建設計画を受け容れることはできません。貴社においては、このような地域住民の意向に真摯に耳を傾け、これを真剣に受け止めていただくことを強く求めるものです。

⑴ きめ細かな説明と意見聴取の機会を求めます
 貴社において物流センター建設計画の是非・見直しを検討するに当たって、住民の意見を適切に反映させるためにも、貴社の計画を説明するとともに住民の意見を直接聴取する十分な場(以下、「住民説明会」といいます。)を、早急に設けてください。
 住民説明会は、一箇所で開催するのではとうてい不十分であり、少なくとも、つつじが丘団地、美堀町、西砂町、等の地区ごとに、必要な回数、開催することを求めます。

⑵ 住民説明会開催の周知徹底を求めます
 また、住民説明会開催にあたっては、これを周知するための案内文書を昭島市内及び立川市内の一部地域(西砂町、上砂町、一番町 )に全個配布するとともに、貴社ウェブサイトにおいても公開してください。
 本年2月に開催された説明会は、その開催を知らせる文書が青梅線の北側の地域の住民以外には配布されていなっかったと聞き及んでおります。しかしながら、貴社が計画する物流センターにつながる主要道路は青梅線の南側の地域にも存在し、当該地域の住民は交通安全や交通の利便性を害されることになります。
 ついては、住民説明会開催を周知するためには、少なくとも昭島市内に関しては、昭島市の住民へ全戸配布が必要です。
 また立川市内の住民についても、少なくとも五日市街道に接する西砂町、上砂町及び一番町については、全個配布をしてください。

⑶ 住民側との連絡窓口の設置及び連絡手段の確立を求めます
 貴社が真摯に住民の意見を聴き、これを計画の検討に当たって反映していただくためにも、住民側から貴社に要望や質問等を伝える窓口を常設するとともに、メール等の連絡手段を確立することを求めます。
以上

別紙・質問状                                         

別紙・質問状

 貴社の計画には、現時点でわからないことが多々あることから、以下の点について、書面で明確にご回答いただきたく、質問をさせていただく次第です。
住民が本件物流センター計画をより理解することは、貴社にとっても有意義なことと拝察いたします。お忙しいところ恐れ入りますが、本年6月30日までに書面でご回答ください。なお、本書面と回答いただいた内容は、そのまま公開し、地域住民と共有させていただきますので、ご承知おきください。

1.昭島市のまちづくりに関する貴社のご見解をご説明ください
 昭島市の水と緑を大切にするまちづくりの方針を、貴社の計画に、どのように生かそうとしているのか、具体的に、ご説明ください。

2.計画の進捗等について
① 敷地の所有権は、現在、三井住友信託銀行となっており、昭島特定目的会社が受益権を取得しているようですが、これに貴社がどのように関係しているのか、また、今後貴社が所有権ないし何らかの権利を取得することになるのか、敷地に関する権利関係を具体的にご説明ください。
②  新聞報道等によれば、物流センター建設には7000億円規模の投資ともいわれております。
物流センター建設が頓挫したり、建設後早期に撤退等になるのであればそもそも建設計画を撤回すべきです。
物流センターを安定的に経営できると貴社が考えているのであれば、その根拠を具体的にご説明ください。

3.交通の問題について
⑴ 「想定発生交通量」について
 貴社は、「想定発生交通量」を、普通車「約4,700台/日 約450台/(ピーク時)、大型車「約1,100台/日 約100台/時」(GLP昭島プロジェクト計画概要、以下では略して「計画概要」ともいいます。)と説明されています。
① 貴社の「想定発生交通量」が仮に正しい予測だとしても、現在の交通量に比較して飛躍的に交通量が増加することについて、貴社はどのようなお考えをお持ちでしょうか。ご説明ください。
② 上記の計画概要のご説明において、「普通車」と「大型車」をどのように区分されているか、ご説明ください。
③ 「ピーク時」とは、具体的に何時を想定しているのか、またいずれの道路の場所に車両がどの程度増えると予測されているのか、現時点の貴社の予測やご認識を具体的にご説明ください。
④  入庫開始時刻前に物流センター付近に到着した車両はどこに待機することになるか、現時点の貴社のご見解を明確にご説明ください。
⑤  「想定発生交通量」や交通渋滞の発生について、本日までに予測するための調査を行なったか否か、また、今後調査を行う可能性に関する貴社のご認識を明確にご説明ください。
⑥  「想定発生交通量」や交通渋滞の発生に関連して、本日までに何らかの調査データがある場合や今後調査を行なった場合には、全てご提供ください。また、説明会でも市民にご説明ください。
⑥  交通渋滞発生によって、救急車や消防車等の緊急車両の通行に支障が生じる可能性の有無やこれに対する対策について、現時点の貴社の予測ないしご認識を明確にご説明ください。

⑵  地域の交通安全について
 トラックの走行が予想される道路は、ほぼ全てが片側1車線です。この道路の拡幅計画の有無や見通しについて、貴社の現時点のご認識をお知らせください。
 トラックの走行が予想される道路の周辺には小中学校が多数存在します(つつじが丘小学校、瑞雲中学校、武蔵野小学校、拝島第二小学校、拝島第三小学校、等々)。これらの学校に通う児童・生徒の保護者は交通事故の発生、増加を強く懸念しているところです。このような懸念に対して、子どもたちの安全を確保するためにどのような方策を講じることを検討されているか、貴社のご見解をお知らせください。

⑶  地域の交通の利便性への影響について
 入庫開始時刻の午前8時前後は、現時点でもすでに五日市街道(都道7号杉並あきるの線)、諏訪松中通り(市道昭島15号)、東文化通り(主要地方道都道59号八王子武蔵村山線)、美堀通り(都道220号昭島停車場熊川線)等は渋滞が発生しています。とりわけ、五日市街道と東文化通りが交差する天王橋の交通渋滞は深刻です。
 物流センターが建設されて稼働した場合、このような交通渋滞がいっそう悪化することが懸念されますが、この問題をどのように解決することを具体的に検討されているのか、現時点の貴社のご認識を具体的かつ明確にご説明ください。

⑷ 運送トラックの走行ルート遵守の実効性について
 貴社ないし倉庫を利用するテナントが、物流センターに出入りするトラック等の車両運転手に対して、走行ルートや走行時のスピードなどを遵守させるための法的根拠の有無及びその内容について、現時点の貴社のご認識を具体的かつ明確にご説明ください。

⑸  入出庫ルートとなる道路の整備を行う予定の有無等について
 貴社の「想定発生交通量」を前提にしても、大型車、普通車の交通量が現時点よりも格段に増え、これによる道路や橋梁の損傷等に対して整備が必要となることは容易に想像できるところですが、これを税金で負担することはあまりにも不公正というべきです。
①  貴社の経済的負担において、入出庫ルートや、これに限らず物流倉庫を利用する車両の走行が予想される道路の整備等を行うことを予定しているか否か、現時点の貴社の予定をご説明ください。
② 物流倉庫が存続する限り、これを利用する車両の走行によって道路の損傷や振動、騒音などの影響が生じることは避けられません。これらの対策について、現時点における貴社のお考えを具体的にご説明ください。

4.自然環境への影響の問題 
⑴ 「昭島市都市計画マスタープラン」で「緑の拠点」に位置付けられた「玉川上水周辺の樹林地一体」について、貴社の物流センター計画によってどのような影響が生じるか、現時点の貴社のご見解ないしご検討状況を明確にご説明ください。

https://www.city.akishima.lg.jp/s094/010/010/040/010/mphonpen.pdf

⑵ 玉川上水が、文化財保護法による国の史跡指定、東京都の歴史環境保全地域の指定を受けていることについて、貴社の計画ではどのように配慮しているのか、具体的かつ明確にご説明ください。

⑶ 代官山緑地の存続について
 代官山の存続に関しては、昭島市と昭和飛行機工業(株)との緑地保全に関する協定書を踏まえての判断と理解しておりますが、協定書の中身をどのようなものと理解していますか。
また、代官山の緑地は、この地域で、どのような生態系上の役割を持っていると考えているか、ご説明ください。

⑷  東京都自然保護条例について
① 現時点の進捗と今後の予定を具体的にご説明ください。
② 上記条例との関係で、貴社において、どのような調査を実施し、あるいは今後実施を予定しているのか、具体的にご説明ください。
③ 上記条例との関係で、すでに実施した調査がある場合には、調査データを全てご提供ください。

⑸ 東京都環境影響評価について
① 現時点の進捗と今後の予定を具体的にご説明ください。
② 環境影響評価に関連して、貴社において、どのような調査を実施し、あるいは今後実施を予定しているのか、具体的にご説明ください。
③ 環境影響評価に関連して、すでに実施した調査がある場合には、調査データを全てご提供ください。

5.その他の条例等に基づく手続きの状況について
⑴ 昭島市宅地開発等指導要綱について
① 現時点の進捗と今後の予定を具体的にご説明ください。
② 上記要綱の第4条では、「事業主は、事業計画について、前条に規定する申請までに、別に定める方法をもって近隣に周知を図るとともに、市で定める範囲に対して事業計画内容の説明を行い、紛争が生じないよう努めなければならない。また、紛争が発生した場合は、速やかに解決を図るよう努力しなければならない。」と定められています。近隣住民への周知について、いつ頃、どのような方法によって「周知を図る」ことを想定されているのか、現時点の貴社のご認識を具体的にご説明ください。
③ 上記要綱第12条に定める公園、緑地及び広場並びに緑化について、具体的な計画内容をご説明ください。

⑵ 東京都開発許可について
 現時点の進捗と今後の予定を具体的にご説明ください。

⑶ その他の手続き
 上記のほか、周辺の住民にも係って法令上必要となる手続きを想定されているものがあれば、ご説明ください。
 
6.高さ制限・日照権、景観への影響について
⑴  横田空域の関係による高さ制限との関係について
 昭島市のウェブサイトによりますと、以下の通り、制限表面から141mを引いた分が「建物等の高さの制限となります」と説明されています。公開されている地図を見ると昭和の森ゴルフ場の周辺は186mであり、上記説明に沿って計算すると42mが高さ制限になるのではないかと考えられます。
 貴社の「想定建築物の主要用途」によると、「物流施設(6棟)」の「建物高さ」は「約35m〜55m」とあり、上記高さ制限と抵触するのではないかと考えられます。 
 この点についてて、貴社のご見解を具体的にご説明ください。
 https://www.city.akishima.lg.jp/s094/010/010/040/koukuuhou.html

⑵ 周辺住民の日照権への配慮について
 貴社の「計画概要」によれば、「建物高さ」が約20m〜55mと記載されていま す。周辺住民の日照権に影響が生じることが懸念されます。
 ①  美堀町やつつじが丘団地など周辺の住民の日照権への配慮について、貴社の現時点のご見解を具体的にご説明ください。
 ②  本日までに日影図を作成されているか否か、これから作成する場合にはその作成時期の具体的な予定をご説明ください。
 ③  作成された日影図をご提供ください。

⑶ 景観への配慮について
 高層の倉庫やデータセンターを建設した場合の景観への影響について、貴社としてどのように配慮することを検討しているのか、具体的にご説明ください。

7.広域避難場所の指定について
 現在の昭和の森ゴルフ場は、現在、昭島市内における広域避難場所に指定されているものと認識しております。
 昭和の森ゴルフ場を廃業した場合に広域避難場所がなくなることや、その代替策について、貴社の現時点のご見解を具体的にご説明ください。
                                          以上